老後の住まい方に、広がる選択肢

「老後の一人暮らしに、部屋を貸してくれる大家さんがいない」という時代にも変化が現れているようですが、これも超高齢社会を見据えた大きな流れでしょうか。 高齢者専用賃貸住宅はあっという間に増えたように感じますし、高齢者支援サービス付きの住居の形態も増えています。 資産に余裕のある健常者のなかには、仲の良いグループ数人で同じ分譲マンションの居室をそれぞれが購入して、適度な距離感で小さなコミュニティを形成しているケースもあるようです。 そして最近は、若い世代から注目を浴びている「シェアハウス」も、高齢者の住まい方のひとつとして認知されているようです。

<セカンドライフ>シニアにも人気 シェアハウス  東京新聞 TOKYO Web

高齢者のひとり暮らしと言っても、そこにはいろいろな背景があることでしょうし、単純に、「仲良しグループ」が集まればそれでハッピーな暮らしというわけでもないように思います。

老後の住まい方

ひとりぼっちはイヤだけど、プライベートも大切にしたい。

一緒に暮らすなら、全てをさらけ出して本当の家族のように。

ひとりでも、十分に楽しんで暮らせる。

困ったときだけ、少し頼れる友人がいればいい。

ライフスタイルや価値観が多様化しているのは高齢者も同じでしょう。 住まい方の選択肢が増えることは良いことですし、「できるだけ自分のことは自分で」という考え方には共感できます。 シェアハウスの場合は、健常者向けのグループホームのようなイメージでしょうか。 いずれにしても長く続く老後の生活、住まい方はもちろん、暮らし方全般については、自分自身に合ったライフスタイルを実現できる方法を、じっくりと探してみたいものですね。

 

 

流行語大賞トップテンに「終活」

年末恒例となった「ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が発表されましたね。 今年の年間大賞は、「ワイルドだろぉ」が選ばれました。 元々は自虐ネタというものだと思いますが、楽しいフレーズが選ばれて良かったような気がします。 そして、トップテンに選ばれた流行語に、「終活」が入っていました。

 

「終活」という言葉が、『現代用語の基礎知識』に登場したのは、2010年版からということなので、まだまだ新しい言葉です。 遺言だけではなく、エンディングノートという言葉も広く知られるようになりましたし、「終活」の登場は、やはり超高齢社会の一層の進展もきっかけのひとつでしょう。

 

遺言については民法に定められる要式行為ですし、一般的に、相続に関係するというだけで「私には関係ないかな」というイメージが相変わらず強いようです。 遺言とエンディングノートについては似ているようなイメージもあると思いますが、エンディングノートは、より身近なものとして認知されてきているようですね。 高齢者人口の増加に伴って、老親の看護や介護といった問題について考える機会が増えていることも原因でしょう。

老親の看護と介護

相続に関するご相談では、「心の機微」のようなものに触れることも多いのですが、多くの場合、相続対策というと財産に関することが多いために、「資産家の問題」というように受取られがちです。(本当は、そうとも限らないのですが)(汗) そういう意味では、エンディングノートや終活という言葉が、表面的なイメージだけでなく、もっと広く意味を知られるようになることは良いことですね。

 

このブログでは、ライフプランに関することを中心に書いていますが、終活もライフプランの締めくくりと考えれば大切なことです。 「生」と「死」というイメージではなく、超高齢社会だからということだけでもなく、「自分らしく人生を全うする」という意味でも考えておく必要があるのではないでしょうか。