夫婦共働きで「憧れのリタイア生活」を実現する3つの方法と注意点

夫婦とも正社員で世帯収入として一定のゆとりがある場合、例えば「目指せ、老後の1億円」という夢が現実的な世帯と、「夫婦共働きなのに、なかなか貯蓄が増えないな~」という世帯とに大きくわかれる傾向があります。 大きくわかれる原因としては、「わが家が希望する将来の暮らし」がはっきりしているかどうかが影響していることが多いです。 後者のケース、「なかなか貯蓄が……」という世帯にありがちな例を挙げて、将来の家計を大きく改善する方法について考えてみます。

普段の暮らしのなかで、世帯収入に一定のゆとりがあるケースでは、「やれば、いいのかもしれないけど、なかなか面倒で……」と、見過ごされてしまうことが多いものとして、(1)住宅ローンの見直し、(2)生命保険の見直し、(3)計画的な貯蓄、の3つが挙げれられます。

(1)住宅ローンの見直しについては、「借り換え」や「繰上げ返済」がありますが、「住宅ローンの返済が、家計を圧迫しているな~」ということでもないと、なかなか実行に踏み切れないものです。 具体的にどのようなメリットがあるのか調べたり、あちこちの銀行で条件を比較してみたりと、時間や手間がかかることもブレーキをかけている原因かもしれません。 しかし、実行すれば数百万円のメリットが確実にあるのに見過ごしているという場合には、やはりもったいないですよね。

(2)生命保険の見直しは、保険料を節約するというイメージが強いです。 長期間にわたって支払うことになる保険料ですから、月々の負担は少なくても、積み重なると家計にも大きな成果となって現れます。 また、保険料を安くするだけではなく、逆に、保険料が高くなっても、家計の状況によっては「保険を使って貯蓄をする」ことが効果的なケースもあります。 もうひとつ、生命保険と同じように、火災保険や自動車保険などの損害保険は、「資産を守る」という面からも大切ですから、しっかりと考えて準備をしておきたいところです。

(3)計画的な貯蓄も、家計にゆとりがある場合には、意外に、具体的なプランとして考えることが難しいものです。 「なんとなくやり繰りしていても、それなりに貯蓄ができているから、ま、いっか」となってしまいがちですが、ゆとりがあるからこそ計画的に家計をコントロールしやすいはずです。 なかなか計画的な貯蓄ができない場合には、(2)の生命保険を使った貯蓄プランなどの方法も合わせて考えてみたいものですね。

3つの方法について簡単にご紹介しましたが、次に注意しておきたいポイントについて考えてみます。

ライフプラン相談

 

 

夫婦共働き世帯の最大のリスクは、どちらか一方が仕事を辞めざるを得ないような状況になったときです。 辞めることはないにしても、現在の夫婦共働きの収入が前提になっていて、なんらかの事情によって、その前提が大きく変わってしまったときに、家計面でも柔軟な対応ができるのかどうか……、ということについても、できれば考えておきたいものですね。

長期的な家計管理において、特に(3)の計画的な貯蓄で注意しておきたいところは、途中でプランを変更するときに、「見直しができない」「見直しはできるが、デメリットも多い」というような場合です。 それほど大きな家計上の変化が、実際に起こることは少ないとは思いますが、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるように、長期的な家計のバランスにも配慮したプランにしておきたいところです。

将来希望するライフスタイルやライフプランを具体的に考え、そのために必要な準備を確実に実行すること。 それができれば、必要以上に現在の生活を切りつめることもありません。 世帯収入が多いということは、収入に応じて支出が大きくなることも当然です。 しかし、リタイア後に収入が少なくなっても、同じような暮らしを維持していくためには計画的な準備も必要です。 「憧れのリタイア生活」が、具体的にどのような暮らしなのかについて考えてみることから始めておきたいですね。

 

夫婦共働き世帯のご相談もライフプランラボへ

 

 

保険の見直しを考えるときは、テーブルの上を片付けてから

「最近、新しい医療保険のCMや広告が多いね」「うちも医療保険だけちょっと見直したら、保険料が安くなったりするのかな?」というように、契約している生命保険のうち、一部だけを見直してみようかなということもあると思います。 一部でも保険を見直す場合、面倒でも契約している保険の全体について、契約内容を再度、確認しながら進めることをお勧めします。

保険の契約内容は、特約の種類が多かったりすると複雑なものです。 保障内容の全てをしっかりと記憶しておくなんて、私なんかでも自信がありませんから。(笑)

ライフプランラボでも、生命保険や損害保険のご相談はありますが、保険以外の住宅ローンや教育費などのご相談の際にも、「ついでに保険も見てもらいたい……」というケースはよくあります。 そうした場合は、保管してあれば、契約時の設計書やパンフレットも一緒にお持ちになるご相談者の方もいらっしゃるのですが、実際には保険証券があれば、保障内容については確認できます。

保険証券に記載されている内容を確認するには、ちょっとしたコツがあります。 それは、主契約と特約のそれぞれについて、ひとつずつ保険金額、保険期間、保険料払込期間というように順番に確かめていくことです。 テスト勉強のようですが、声に出したり、鉛筆でチェックしたりすると、よりわかりやすくなりますよ。

さて、タイトルにもありますが、例えば、医療保険の見直しをしようという場合にも、契約している生命保険証券を全て出してみて確認することから始めましょう。 家族全員分となると、保険証券もかなりの枚数になりますから、ダイニングテーブルなどの広いテーブルの上を使うことをお勧めします。 片付けてから始めないと、保険証券が汚れてしまいますからね。(笑)

契約している保険には、主契約と特約がありますから、あちこちで保障が重複している場合もあります。 もちろん、不足しているので後で足したというケースもあるでしょう。 いずれにしても、契約してから長い年数が経過している場合など、契約したときの家族構成や家計の様子もずいぶんと変化していることもありがちです。 医療保険を単独で検討する場合にも、保障全体からムリやムダの少ない、合理的な保障内容にしておきたいですからね。

もちろん、生命保険だけでなく、損害保険も同じ家計分野の保険です。 面倒に感じるかもしれませんが、家計上のリスクをカバーする保険という意味では同じ分野ですから、保険全体で家計とのバランスにも考慮する必要があります。

 

家計の裏づけ

保険は家計上の経済的リスクをカバーするための、とても大切なものです。 貯蓄とのバランスや、家計の将来像をしっかりと考えてみると、保険の重要性も理解できます。 保険商品や保障内容を考えるときには、将来の家族のライフイベントなども一緒に考えるきっかけになります。 「保険は全部、妻(または夫)に任せっきりで……」、という人も多いのですが、保険商品を選ぶ前の、「家族の将来を考える時間」も大切にしたいものですね。

 

生命保険相談も、ライフプランから

 

守るべきは何か、どう守るのか

富士山の世界遺産登録について注目が集まっています。

世界遺産登録で注目が集まっている「富士山」--6割の人が「入山料」に賛成 Business Media 誠

私としても、「入山料はむしろ必要」という多数派に賛成です。

世界遺産登録というのはひとつのきっかけであって、増加するゴミの問題については、最低限必要なコストとして、「入山料」の徴収が解決策としては理解が得られやすいと考えるからです。 「富士山の環境を守ろう」といっても、反対する人は少数だと思いますが、実際に、コスト負担ということになると、国民全てからというのも難しいでしょうから。

富士山

 

最低限必要なコストを家計分野に置きかえてみると、「保険」もそうですね。 自分自身や家族を守るために必要な最低限のコストを負担できないようであれば、安心な暮らしを送ることはできません。 ただし、たくさん保険に入ればいいというものでもありません。 想定するリスクの種類やダメージの大きさに合わせて、家計とのバランスを考えることが大切です。 これからは生命保険も「現物給付型」の商品が導入されるようになります。 ますます選択肢の増える保険ですが、「いざというときの安心料だ」というイメージだけではなく、具体的に家計の現状と将来像から逆算して考えることが必要です。

 

 

 

大切なのは、保険と貯蓄とのバランス

「保険を見直して、家計の節約を!」というのをあちこちで見かけますが、収入ダウンが続く時代であっても生命保険の世帯加入率は減少していないというニュース。

年収300万円未満でも保険加入率79.8% 格差時代の「リスク回避術」 J-CAST会社ウォッチ

正確には、「収入が少ないのに…」ではなくて、「十分な貯蓄がないのに…」ということだと思いますが、だからこそ上手に保険を活用するべきです。

つまり、私の場合には、「何があるかわからない。保険には必ず入っておくべき」という考え方です。

ただし、このニュースの背景にある調査結果については、注意深く読んでみる必要があります。 「保険に加入している」といっても、その「保険」が、死亡保険なのか医療保険やがん保険なのか、年金保険なのか、詳細についてはわかりません。 また「世帯加入率」や「世帯主」というのも曖昧ですし、そもそも、家族構成なども含めると、実際の加入状況については「意外にばらつきが多いだろう」と考えられるからです。 調査結果を参考にすること自体に問題はありませんが、「わが家にとって」という目線で、保障の目的ごとに必要性や優先順位を整理してみることが大切です。

 

保険は、「リスクの回避」ではなく、「リスクの転嫁」です。 精神的損失をカバーすることはできませんが、経済的損失をカバーすることは可能です。 ただし、期待するすべてをカバーすることは難しいですから、目的ごとの優先順位を考えることが重要になってくるんですね。 「何があるかわからない、保険には必ず入っておきべき」ですが、目的をはっきりとさせてから、保険料負担が家計を脅かすことのないように適切な範囲で保険を利用するようにしたいものです。

入院

 

冒頭のニュースでは、「経済的理由で最善の病気治療が受けられないのは心細い」とあります。 健康保険の対象外になっている高度先進医療のことを指しているようですが、確かに、民間の医療保険等で一般的になってきた「先進医療特約」は、「保険らしい」保障だと思います。 保障の対象が狭い範囲に絞られているので、「ダメージは大きいが、リスクとしては顕在化する可能性が低く、その分、保険料負担も小さい」と言えますから、保険の目的なんかを考えるという意味では、わかりやすいものになっていますね。

 

収入が少なく、まだ十分な貯蓄ができていないために、「何かあったときのために保険を」というのは正解ですが、いつまでも保険に頼る(つまり、保険料を負担し続ける)ことのないように、「収入を増やす・貯蓄を増やす」という努力は必要です。 家計にとって重大なダメージが生じたときのリスクを転嫁してくれる保険は大切ですが、保険料負担が長期的な家計にとってダメージとなってしまわないように、保険と貯蓄のバランスを考えておきたいですね。

 

 

保険の大型新人登場?

厚生労働省の人口動態統計によって、母親が第一子を出産したときの平均年齢が、初めて30歳を越えたとニュースで報じられたのは昨年6月のことでした。 晩婚化・晩産化が少子化に少なからず影響を与えているような気もしますが、少子化対策の一環として、金融庁が不妊治療の費用を保障する民間の保険商品解禁について金融審議会で検討を始めるというニュースが流れたのも昨年秋のことでした。 その後の展開について注目していたところ、先日こんなニュースが報じられましたね。

不妊治療の保険を解禁へ 金融庁が審議会に素案提示へ msn産経ニュース

不妊治療を必要とする人にとっては朗報となりますが、ニュースにもあるように、モラルリスクの問題や具体的な保障内容など、今後の展開が気になります。 保険会社は商品開発に積極的だということのようですし、なによりもニーズがはっきりとしていますから、商品設計が受け入れられれば大型商品に成長するのでしょうか。

 

同じように、こんなニュースもありました。

介護や葬儀のサービス、保険での提供を解禁 金融庁が審議会に提案 msn産経ニュース

従来の保険は、保険金を支払うという形での契約でしたが、こちらは間接的にサービスを提供するという形式になりますね。 これまでにも、例えば自動車保険であれば車の修理費を直接、修理工場へ支払うとかはありましたが、このニュースのように、介護や葬儀の費用を直接、保険会社から業者に支払うとなるとこれまでの保険のイメージから大きな変化となりそうです。

 

最近、よく話題になる、医療保険やがん保険の先進医療特約もそうですが、実際に特約保険金の請求時に必要な書類のひとつとして、治療を受けた医療機関の領収書が必要な保険会社と、請求書で済んでしまう保険会社とにわかれるようです。 請求書で構わないということは、一時的にでも家計から支出する必要がありませんから、こうした細かいところも商品を選ぶ場合の判断基準のひとつとして考えておきたいものです。

新時代へ?

 

不妊治療の保険も、介護の保険にも共通した特徴があります。 それは、公的な保障と民間の保険会社の保険商品との関係です。 不妊治療については、健康保険の適用外である特定不妊治療であっても公的な助成制度があります。 つまり、一般的な民間の医療保険を考えるときと同じように、公的保障を補完するものとして、民間の保険商品を公的保障の上乗せとして考えるということですね。 介護保険も同じです。 民間の保険会社からさまざまな介護保険商品が発売されていますが、こちらも公的介護保険だけでは不足すると考える部分に、自助努力(?)として必要と考える人が保険料を負担して手に入れるものです。

 

民間の保険商品を契約するときに、公的保険の保障制度について理解をしておくことは当然ですが、わが家(わが家の家計)にとって必要であるなら、しっかりと民間の保険商品でカバーしておくことは大切です。 もちろん、支払うことになる保険料や家計・貯蓄とのバランスを考えることも大切。 保険業界にとっては期待の新人が登場するかもしれませんが、消費者サイドとしては、わが家の家計に置きかえて、上手に利用したいものですね。

 

 

自転車通勤の功罪

インターネットサービス「はてな」の、自転車通勤への取り組みです。

自転車通勤に月2万円の手当て「はてな」が「健康」のほかに得たもの

健康面やエコといった点では、誰しも納得の取り組みですが、この記事でもわかるように制度導入には企業側の努力も必要ですし、会社から交通費の支給を受けている場合であれば、「交通費を浮かすために自転車で通勤しよう」という安易な発想は危険ですよ。

 

電車通勤の時間を大切にする人もいるでしょうし、電車通勤が苦痛でしかない人もいるでしょう。 メリットもデメリットも混在しますが、毎日のこととなると習慣からも自転車で通勤できる人ばかりでもなさそうです。 私なんかは慢性的に運動不足ですから、あこがれなくもありませんが、徒歩圏内の通勤なので、そこは休日の健康管理として考えるべきかもしれません。(汗)

自転車通勤

自転車通勤となると、「労災問題」がどうなるのかも気になるところですが、最近は、自転車による重大事故がニュースになることも多いので、「自転車で颯爽と通勤する」というイメージ先行ではなく、しっかりとリスク管理をしておきたいですね。 こんな恐ろしいニュースもありました。

「自転車」の事故で「免停150日」 賠償金5000万円のケースも

このように、自転車に限ったことではなくても、自分が被害者になるケースはもちろん、加害者になってしまったときの賠償責任についても普段から対策を講じておくべきです。 賠償責任については民間の保険商品でカバーできる部分もありますから、契約中の保険の補償内容を確認することや、示談交渉サービスといったことまで含めてしっかりと準備をしておきたいところです。

 

あと、これは通勤中に限りませんが、「飲酒」についても安易に考えている時代ではなくなりました。 自転車通勤で仕事帰りに会社の近くで同僚と一杯とか、休日に自宅近くの居酒屋に自転車でというのも避けなければいけません。 飲酒運転による自動車の重大事故が相次いだために道路交通法が改正され、今どき飲酒運転を軽く考える人はいないと思いますが、自転車についてはどうでしょうか。 自転車も「車両」です。 ルールやマナーを守ることは当然ですが、あとで「しまった!」とならないように万全の注意が必要ですね。

 

子どもの車についての選択肢

「日経ビジネス」10月29日号によると、独フォルクスワーゲンが新興国向けに新ブランドで超低価格車の発売を予定しているらしく、その価格帯は50万円前後と伝えられているようです。 昨年、大学生の子どもが免許をとったわが家としても、気になるニュースです。 日本でも、軽乗用車の販売シェアが過去最高になっているようですし、西欧諸国でも自動車の低価格志向が強まっているとか。

 

子どもが免許をとると、まず、驚くのは自動車保険料です。 運転者年令条件がそれまで35歳以上だったものを、単純に全年令担保にするだけだと、保険料は簡単に2倍くらいに跳ね上がりますから。 保険料を安くするだけのために、あれこれと工夫するうちに、肝心の補償内容が求める内容と大きく変わってしまうのも考え物ですね。(汗)

 

超低価格車とまではいかなくても、子ども専用の中古車でも……、いや、維持費を考えるまでもなく、かえって負担は大きくなるし……。(笑)

 

東京海上日動のちょい乗り保険というのがあります。 しかし、あれこれと細かい補償内容を比較検討していると、免責金額のところで、「う~ん」となってしまい、見送ったばかりでした。 と、考えていた先日のことですが、新たな選択肢を発見しました。

カーシェアリング

ライフプランラボの近くの駐車場で発見した、カーシェアリングの看板。

 

カーシェアリングって、もっと都心部だけのものかと思っていましたが、ご近所にも登場していたんですね。 まず最初に気になって調べたのが、自動車保険に関する内容。(大事なところです) 利用料に自動車保険料は含まれていて、免責金額もゼロ。 年に数回しか車を運転しない子どもなら、自家用車じゃなくてもカーシェアリングを利用すると、節約できた自動車保険料の範囲内で納まるかも!

 

選択肢が増えることはいいことですね。 とは言うものの、またまた、子どもと良く話し合ってみなければいけないようです。

 

※自動車の補償制度については、各カーシェアリングの会員規約ごとに違いがあります。 保険・補償の適用とならない場合や、一定のペナルティ料金の発生など、詳細については約款を参照するなど、ご自身で確認してください。