正しい「住宅ローンの返済計画」

住宅ローンを借りると、「返済予定表(償還予定表)」が発行されます。 毎月の返済額(元金返済分、利息分)や、返済額の推移などについて、初回の返済分から最終回まで全て記載されています。 同様に、住宅ローンを借りる前の試算の段階でも、およその返済予定については確認することができます。

よくあるパターンですが、「退職後まで住宅ローンの返済が続く」というケースでは、退職金をあてにしなくてもいいように、(期間短縮型の)繰上げ返済をがんばって、なるべく早く完済しようね」というように「返済計画」を考える人も多いでしょう。 しかしながら、がんばろうと考えていた「繰上げ返済」も、なかなか思うように進められないこともよくあることです。 収入の伸びが期待通りではなかったのか、支出の伸びが予想以上だったのか、または両者ともなのか。 子どもがいる人の場合であれば、さらに、将来の教育費のための貯えも気になるので、どうしても「繰上げ返済」のことが後回しになってしまうこともあります。

さて、冒頭の話題に戻ります。 「住宅ローンの返済計画」ですが、金融機関から発行された「返済予定表」も「返済計画」のひとつです。 ただし、決められた借入条件で、決められた返済予定に沿って完済まで返済をしていくという、「初歩の予定表」です。 わが家のライフプランに基づいて、将来の家計の様子をしっかりと分析し、効率的に住宅ローンを返済していける「わが家だけの返済計画」を立てておくことが必要ですね。

 

住宅ローンの返済計画

グラフは、家計の将来像を基にしながら、貯蓄残高の推移予測と、繰上げ返済等も含んだ住宅ローン返済計画をプランニングしている途中のものです。 家族が希望する生活を基本に、できるだけ安全に効率よく住宅ローンを返済していくためには、こうした長期の家計分析が必要です。

住宅ローンを借りる前、そもそも住宅購入を考えたときから、「わが家にとって安全な住宅ローン」について、将来の家計から逆算しながら考えることが大切です。 住宅ローンの返済計画が安全であるというだけではなく、返済計画の信頼性が高く、家族が希望するライフスタイルを実現しながらというところが大切ですから。 住宅ローンを返済するためだけに、生きているわけではありませんもんね。

 

住宅購入は、ライフプランニングのチャンス

 

 

中小企業の高齢化問題と事業保険

高齢化社会の問題や課題は、個人、家計分野に限りません。 中小企業を取り巻く環境にも……

従業員の高齢化・後継者問題・経営者の老後

というように、課題はたくさんあります。

利益の平準化・資金繰り・資金調達というような、顕在化した企業ニーズはもちろん、重要でありながらも「なんとなく、先送り」にされてきた潜在的企業ニーズも、これからの時代は重要性・緊急性ともに高まってくるのではないでしょうか。

事業保障

中小企業の事業保険でも、生命保険分野と損害保険分野の二つがあります。 企業の成熟度や経営状態、事業計画など多面的な視点でリスクヘッジについて考える必要があります。 アプローチの方法は、企業向けのリスクマップを使う以外にも、この図のようにシンプルなワークをしながら考えていく方法もあります。

いわゆる、会社の保険も、現状や課題に合わせて積極的に見直しをしていくことが必要な時代です。 保険料の経理処理や返戻率も大切ですが、長期的な課題克服のためにも、企業を取り巻くリスクを確認するところから始めたいものですね。

 

事業保険もライフプランラボへご相談ください

 

相続対策は、「目的」と「優先順位」を見失わないように

いよいよ来年の1月に迫った「相続税及び贈与税の改正」を控えて、「まるで相続バブルのよう」と以前にも書きましたが、さすがに、ライフプランラボでも「相続・贈与」に関するご相談が増えてきました。

国税庁 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)

「相続対策」というと、一部の資産家のためのもの、というイメージはさすがに今回の税制改正で変化することになりそうです。 しかしながら、「相続対策」もライフプランの一部だと私は考えています。 つまり、被相続人と相続人のライフプランを大切にした「対策」であるべきです。

「……のようにしておくと良い」「……という方法が得だ」「……することで大幅にメリットがある」

というようなテクニックに関する情報が多いようですが、いろいろな情報に翻弄されてしまって、「そもそも、どうしたいのか」という原点というか、本来の目的を見失ってしまってはいけません。 もちろん、できることは無理のない範囲で実行していくことも大切です。 しかしながら、リスク性の金融商品とは違い、メリットとデメリットについてわかりづらいことが相続に関する情報の特徴のように思えてしかたありません。

いろいろなご相談で感じることですが、一度、相続や贈与に関する基本的なところ、税法上、民法上の考え方も含めて「何故、そうなっているのか」を考えると、いろいろな制度や仕組みがすっきりと理解できますよ。 基本的な部分の理解なしに、「こうするほうがいいらしい」というように思い込んでしまうのも「結果オーライ」であれば構いませんが、あとでやり直すことが難しいことも相続対策の特徴です。 金融資産はもちろん、不動産も含めていろいろな財産の形がありますし、相続対策は多岐にわたります。 たくさんの選択肢のなかから、慎重に検討するようにしたいものですね。

いろいろと方法はあるけれども、被相続人と相続人、関係する家族の将来を見据え、ライフプランを基にして多様な選択肢のなかから優先順位を考えるということは、ファイナンシャルプランと同じです。 相続や贈与が特別なものでもありません。 「相続対策」や「贈与プラン」が、「何故そうなっているのか」という視点で考えるクセをつけておくことは大切なことです。 あ、相続に限らず、他の金融商品とかも同じでしたね。 相続対策は、「目的」と「優先順位」を見失わないようにすることが大事です。 つまり、「ライフプラン」です。

 

相続も贈与も、信託も保険も、不動産も、すべてはライフプランから

 

台風と災害情報と火災保険

2014年8月10日、台風11号が四国から兵庫県に再上陸しました。 今回の台風については、遠く離れた地域でも猛威をふるうこととなり、被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。

阪神間では、今回のように台風が直撃するということはあまりないように感じます。 ゲリラ豪雨のような新たな自然災害も増えていますが、やはり台風は広範な地域に影響がありますから、しっかりと防災面の準備をしておきたいものですね。 さて、いまどきの火災保険では、台風による風災・水災などの被害に対しても備えることができます。 ライフプランラボがある宝塚市では、武庫川が氾濫した場合の影響をハザードマップで確認することができますが、武庫川右岸と左岸でも影響度が大きく異なることがよくわかります。 また、水害といっても河川の氾濫だけではなく、土砂災害も含まれます。 土砂災害の危険区域もハザードマップで確認することができますから、火災保険の補償内容を検討する場合には、必ずハザードマップを参考にすることは大切なことです。 もちろん、火災保険だけではなく、いざというときのために「防災・減災」という意味からも、事前に災害情報の入手や行動チェックについて家族で共有しておくことが大事ですね。

【普段の、おだやかな武庫川】

武庫川 武庫川 武庫川 武庫川

【台風11号が通過したあとの武庫川】

台風11号 台風11号 台風11号 台風11号

台風11号 台風11号 台風11号 台風11号

台風11号 台風11号 台風11号 台風11号

武庫川の水位がここまで上昇するというのは、私自身もあまり経験がありません(引っ越してきてから十数年ですが、2回目くらいかな)。 数ヶ月前までこの辺りでは、川底の浚渫工事があったばかりですが、そうした工事がなかったらと考えると恐ろしいですね。(汗)

この写真は、台風の位置や、雨雲の様子、河川の水位などの情報をもとに、「降雨のピークは過ぎて雨も上がる、河川の水位も下がった」と確認してからご近所まで出かけて撮ったものです。 特に、河川の氾濫については、上流部で激しい降雨が続いている場合には危険なので近づくことは避けたいですね。

私がこうした場合にチェックするサイト一覧です

雨雲レーダー ウェザーニュース

気象庁 高解像度降水ナウキャスト

兵庫県CGハザードマップ

国土交通省 【川の防災情報】

リアルタイムで大きく変化する河川の水位や警戒情報など、細かくチェックすることができますから参考にしてみてくださいね。

 

台風が過ぎ去り、翌日(8月11日)の午前3時前後に最大になると聞いたスーパームーンの写真をおまけに。(笑) 撮影は10日から11日にかわる頃ですが、雨雲もすっかりなくなっていてきれいに見ることができました。

スーパームーン スーパームーン スーパームーン スーパームーン

 

火災保険についても検討すべき課題は増えています

 

お盆の帰省で、老親と何を話す?

「夏休みに家族で帰省、みんなでお墓参り」という人は多いのではないでしょうか。 また、年老いた両親と、子ども、孫たちが集まる機会って、お盆とお正月くらい……、という人も多いような気がします。

「あなたはあと何回、親に会えますか?」

もちろん、終活に限ったことではなく、「親孝行」という意味でも考えなくてはいけませんが。

「終活」については、家族みんなのコミュニケーションと、時間をかけることが必要だ。 このブログでも何度も書いています。 特に「暗い」話題というわけでもありませんが、両親の「終活」について話しをする機会としては、お正月よりもお盆のほうが向いているようにも感じますね。

お墓参り

「終活って、知ってる?」

最近では、テレビの情報番組やニュース番組でも「終活」についての特集が組まれることも増えました。 もしかしたら、両親のほうがよく知っているかもしれませんよ。 両親ともまだまだ元気だからといっても、早すぎることはありません。 「何をしておくべき」といいうように厳格な取り決めがあるわけでもありません。 エンディングノートだって、すべてを完成させる必要があるわけでもありません。

今年の夏は、エンディングについて両親と話してみる「最初のきっかけ」にしてみるだけでもいいのではないでしょうか。

 

終活もライフプランニングです

 

リタイアの準備は、シンプルに○○を積み上げるだけ

老後の生活設計のために、「お金」や「資産」を積み上げることは結果的に必要ですが、そのために、まずやるべきことは……

現役時代の収入には変動があります。 少しずつでも安定して増え続けるのであれば問題ありませんが、なかなかそうもいきません。 加えて、教育費に関する支出も、進路の変更などがあれば大きな変動要素にもなります。 「年間収支の予測」を大幅に見直す必要に迫られることも十分にあり得るということですね。 もちろん、自動車や大型家電、家具の買い替えや、住まいのリフォームなど、他にもいろいろと計画的に備えておきたい支出もあります。

では、リタイア後の家計収支はどうでしょうか。 年金受給が始まれば収入は一定(厳密には多少の変動はありますが)。 退職して厚生年金があり、夫婦でそれなりの年金受給額に恵まれた場合、基本的な生活費は年金額の範囲内でやり繰りをしながら、その他の臨時・一時的な支出については預貯金を取り崩すというイメージが近いのではないでしょうか。 現役時代から、老後の生活費を……と、堅実に準備するのはなかなか難しいものです。 まず最初に、「いったい、いくら必要になるんだ?」とあちこち調べてみても、あまりにも大きな金額で思考停止してしまいそうだからです。

リタイアメントプラン

ちょっと話しはそれますが……

先日、法事で親戚が集まったときのこと。 久しぶりに飲みながらいとこや叔父たちとあれこれ話していたのですが、「俺らが子どもの頃の60歳に比べて、今の60歳ってホントに若いよな~」という話題になりました。 同じように感じる人も、多いのではないでしょうか。

話しをもどします……。

平均寿命も延び、リタイア後の生活設計にも「体と心とお金の健康」を考えることが必要な時代です。 現役世代と同じか、それ以上に、ライフスタイルが多様化し、充実した老後の生活も人によってさまざまです。 さらに、医療や介護、終の棲家や終末期について考えることばかり取り上げられがちです。 もちろん、終活について考えることも必要ですが、まずは、どんな老後の暮らしを希望するのか、夢や希望について計画を立てることが順序としては先ではないでしょうか。

現役時代と同じく、長い老後の生活です。 充実した生活を送るためには、「本当に希望する暮らし」を実現するための準備が必要です。 お金や資産を積み上げるためには、本当に希望する暮らし、やりたい事について考えることから始めたいものです。 リタイアの準備には、たくさんの「夢」や「希望」を積み上げる。 必要な予算について考えるのは、それからで十分です。

 

老後の準備にも、ライフプランシミュレーションを

 

 

超低金利の住宅ローン、繰上げ返済のメリットは少ない?

先日、住宅ローンのご相談で、提携ローン(変動金利)の借入金利が0.775%というケースがありました。 もちろん、借りる側にとっては非常に魅力的な条件です。 ここでは、実際の試算結果ではありませんが、Excelで繰上げ返済の簡易試算をしてみた結果を、節約できる利息相当金額で比較してみます。

借入金額は3,000万円、借入期間 35年です。 5年後に約300万円を繰上げ返済(期間短縮型)をした場合の簡易試算です。(便宜上、変動金利タイプの金利は変わらない前提です)

【変動金利0.775%の節約利息】   約74万円

【全期間固定金利2.5%の節約利息】  約300万円

当然、予想されたことですが、金利の低い変動金利の場合、固定金利よりも繰上げ返済のメリットは大幅に少ない結果となりました。 もちろん、この結果をふまえて、「金利は高いけど、全期間固定金利にしよう」とか、「無理に繰上げ返済をしなくてもいいか」ということではありません。

低い金利で借りている間に、「繰上げ返済できる資金があれば運用してみよう」とか、「住宅ローン減税があるからしばらく繰上げ返済はしないでおこう」というような「思惑」が頭に浮かぶ人もいるでしょうね。 もちろん、そうした前提でいろいろと試算してみることは可能ですが、基本的なスタンスとしては、「住宅ローンの借入元金は早く減らす」というシンプル思考でいいと思います。 いや、「いいと思います」レベルではなく、「可能な限り、早く減らすべき」です。 長期的な家計運営にはさまざまな潜在的リスクがあります。 どのようなリスクが発生するかはわかりませんし、特に何事も起こらないないこともあるでしょう。 しかし、節約できた利息相当分で「損」をすることはありません。 少ないメリットであっても、そうした積み重ねが「老後のゆとり」につながることも間違いありませんから。

上記のような比較をすると、メリットが少ないと感じてしまいますが、多い少ないではなくて、メリットがあることは事実です。 何もしないで、確実に74万円を手に入れることは不可能です。(笑)

繰上げ返済

今回のご相談では、家計分析の結果からいろいろと試算してみて、「緊急予備資金(いざというときのための必要資金)」や教育費の準備を進めながら、安全に繰上げ返済を実行していけるプランニングが可能でした。 長期的な住宅ローンの返済計画を立てる場合にも、ライフプランを考えること、長期的な家計分析をもとに計画を立てることは必要です。 蛇足ですが今回の記事、変動金利がいいとか、固定金利がいいとか、そういう比較とは一切、無縁ですからね。(笑) それと、メリット以外にも、繰上げ返済することで低減できるリスクはたくさんあります。

 

住宅ローンにも、ライフプランシミュレーションを