老後の資産運用、NISAよりも先にやるべきこと

NISA(少額投資非課税制度)の登場で、リタイア後に資産運用のスタートをと考えている人も多いのではないでしょうか。 いろいろとメリットのある投資優遇制度ですが、ここでは制度のメリットやデメリットではなく、老後の資産運用について、最も基本的なことについて書いてみたいと思います。

リタイア後ということですから、給与収入など現役時代の収入に代わって、年金収入が普段の生活の支えになります。 支出については住宅ローンや教育費という大きな負担がなくなり、家計の年間収支は安定したものになっているはずです。 つまり、今後の生活設計について家計の裏付けとしては予測しやすい期間になってきます。

(公的年金の将来や、看護、介護等の不安については、また別の視点になります)

NISAは少額投資の優遇制度ですから、投資経験の少ない人が資産運用を始めるには良いきっかけになるかもしれません。 最初は少額で、少しずつ勉強や情報収集をして、経験を積みながら……、というイメージですね。

 

老後の資産運用

さて、そんな投資初心者の資産運用ですが、リタイア後に限らず、リスクについてどのように考えておくかということが大切になってくることは当然です。 少し堅苦しい言葉で表現すると、「リスク許容度」をきちんと測定しておくということです。 家計ごとに、お金の面だけでなく性格なんかも含めて、どの程度のリスクに精神的負担なく耐えることができるのかという考え方です。

(リスクというのは、損失というイメージが強いと思いますが、思ってもみなかった利益を指す場合もあって、なかなか難しい言葉です。ちょっとややこしくなるので、リスクについては「損失」のイメージで書きすすめます)

つまり、わが家の場合、どの程度の損失額まで耐えることができるのか、具体的に考えておくことが必要です。 耐えられる損失の額を常に意識しながら、逆算して投資金額や投資対象を選ぶという考え方が大切になってきます。

ようやく今回の本題……

投資や資産運用を考える場合、「リスク許容度」をしっかりと分析するためには中長期的な家計分析が必要です。 つまり、ライフプランに基づく「家計のキャッシュフロー分析」です。 長い老後の生活ですが、どのようなイベントを希望し、どのような暮らし方、住まい方はもちろん、看護や介護といったことまで含めて具体的に考えてみること。

希望する老後のライフスタイルを実現し、維持していくために必要な家計の裏付けをしっかりと検証してはじめて、資産運用の基本方針も決めることができます。 投資スタイルがライフスタイルに優先することってありませんから。

 

老後の資金計画にも、ライフプランを