住宅ローンの繰上げ返済で、貧乏になる?それともリッチ?

全期間固定金利型の住宅ローンを、3,000万円、2.5%、35年返済で借りたとして、ちょうど10年が経過したときに、預貯金の総額が1,000万円になりました。 これまでにも何度か住宅ローンの繰上げ返済をしようと考えましたが、手元の資金が減ってしまうことに抵抗もあって、なかなか決心できませんでした。

「今、約370万円くらいを期間短縮の繰上げ返済に回すことで、利息分で約280万円の節約ができますよ」

※(今回の記事では、繰り上げ返済の手数料等のコストは無視しています)

ざっと試算すると、こういうことになるのですが、ピン!ときますか?

当たり前ですが、「280万円くれる」というならわかりやすい話しなのですが。(笑)

 

住宅ローンの繰上げ返済

仮に、10年経過時の今ではなくて、5年前に繰り上げ返済をしていればどうだったのか、についても簡単に試算してみました。 結果は、約330万円の繰上げ返済で、利息軽減効果は約330万円となりました。 今よりも、費用対効果としては高いものだったわけですね。

 

住宅ローンを借りるときに、当初は「頑張って繰り上げ返済をしていこうね」と考えていたのに、「なかなか実行できなくて……」というのもよくある話しです。 「繰上げ返済も含めた、住宅ローンの返済計画が少し甘かったようですね」と言ってしまうのは簡単ですが、子育て世帯であれば、教育費用の準備も気になるところですし、家族のイベントも大切にしたいところです。 手元の預貯金の残高を大きく取り崩すのにも適切な判断材料が必要なところですね。

 

住宅ローンの繰上げ返済は、早いタイミングで実行するほど、利息の軽減効果も大きなものになります。 ところが、せっかく順調に積み上げた預貯金を取り崩すために、まるで「貧乏」になったようなイメージがあるかもしれませんね。 ところが住宅ローンの総返済額を考えたときには、実行すれば確実に大きな成果があるわけです。 見かけ上は、預貯金の総額が大きく減少したという事実だけに感じてしまいますが、そんなときには、「住宅ローンの借入残高」にも注目してみればいかがでしょうか。 当然、預貯金の額は減りますが、借金の額も確実に減りますし、今後、返済することになる総額を計算してみてもいいでしょう。

 

ただし、一度、繰上げ返済を実行してみて、その効果の大きさを実感した結果、繰上げ返済をしすぎてしまうのも考えもの。 結果的に子どもの教育費用の準備が追いつかず、教育ローンのお世話になってしまうようでは本末転倒です。 教育費に限りませんが、それぞれの家庭ごとに、将来のライフイベントや長期的な家計の裏づけにもとづいて、ムリのない範囲で確実に実行していきたいですね。

 

貧乏なのか、リッチなのか? それは、住宅ローンを完済して、老後の生活を迎えたときの充実感で判断できることかもしれません。 わが家らしい暮らしを送りながら、希望するライフスタイルを手に入れることは、お金の問題だけではない、「リッチな暮らし」と言えるのではないでしょうか。 判断する基準、価値観は人それぞれ……、しっかりと考えていきたいものですね。

 

 住宅ローンについても、長期的な家計全体からのプランニングが必要です