「年間いくら?」の家計管理
関西電力が創業以来、初めての全社員給与カット。
関電解剖(上)揺らぐエリートの誇り「事故していないのに…」
「平均790万円の年収が、16%カットの664万円」というのは、家計にとって大きなインパクトがあります。 1年間に100万円程度の貯蓄が可能だった世帯が、おそらく貯蓄ができない水準にまで収入が減ってしまうわけですから。
家計の状況を考える場合には、年間の現金収支について把握することが必要です。 日々の節約や家計管理については、家計簿レベルの目線が必要ですね。 それとは別に、家計全体について長期的な予測をする場合には、ファイナンシャルプランナーが家計分析に使用する、「家計のキャッシュフロー表」の考え方と同じように、年間の現金収支を把握することから始めるとわかりやすいですよ。
給与の年間支給額から、税金と社会保険料を差し引いた手取り金額が、1年間にわが家に入ってきたお金です。
(年間給与の手取り額) 500万円
(住宅ローン返済年額) 100万円
(その他生活費全部) 300万円
これだと、1年間に貯蓄が100万円増えている計算になります。 家計の将来を考える際、まずは、ここからスタートすると考え方がスッキリしますよ。 この例で、「いやいや、1年間に貯蓄額はほとんど増えていない」ということなら、300万円でやり繰りしているつもりの生活費が、実は400万円の支出になっていた…、ということですから。
二人の子どもの大学進学時のために、総額で1千万円を貯蓄しておこう、という目標があったとします。 上記のように年間100万円の貯蓄が可能であれば、10年間で教育費の準備についてはゴールできます。 年間50万円の貯蓄額であれば、ゴールまで20年間という期間が必要になります。 将来、必要だと考えるライフイベントについて、少し具体的な金額を見積もり、そこから逆算することで現実的な対策を立てることができます。
収入が大きく減少した場合にも、年間の現金収支を把握しておくことで、家計への影響度について具体的に考えることができるようになります。 もちろん、現在のような経済環境が短期的なものであるように願いたいところですが、そうではなくても、家計の現状を把握しておくことはこれからの時代に必要です。