終活カウンセリング(仮)、始めます

いわゆる、「終活」に関連した相談業務もこれから増えてくると思うわけですが、まだまだ今のうちに準備をしておくことも多いわけです。 たとえば、「相続」に関することであれば、必要に応じて他の専門家と連携していくということですし、関連することでは、成年後見や任意後見なども含まれます。 ところが、「相続」「後見」となると、言葉は知っているが、あまり現実的ではないという印象があるのではないでしょうか。

 

ライフプランラボではリタイア世代のご相談もありますが、まだまだ皆さん現役世代並みにお元気です。 介護といっても、両親の介護が……、というくらいですから。

終活カウンセラー

 

ライフプランラボで考えている「終活カウンセリング」のサービスとしての基本は、「早めの準備」です。 まずは、正確な情報を収集しておくこと。 例えば、介護というと、認知症のイメージが先に浮かびますが、介護保険制度における「要支援」は「家事や身支度等の日常生活に支援が必要になった場合」とあります。 自身でできる限り頑張ったり、家族ができることをサポートしたり、ということも多いのかもしれませんが、要介護状態になることを予防する意味からも、介護サービスを受けられる状態かどうかということを、早めにチェックしてみてはいかがでしょうか。

訪問看護ステーションとケアマネージャー

 

先日も、宝塚市のお隣、尼崎市の訪問看護ステーションの経営者さんとケアマネージャーさん、お二人とお話しをさせていただく機会がありました。 今後の連携も兼ねて、非常に勉強になる現場のお話しを聞くことができました。 もちろん、介護や看護については、「ご本人がどのようなサービスを望むのか」を重視する必要があると思いますが、場合によってはご本人の家族ともコミュニケーションをとりながら進める必要もあるでしょう。

 

健康保険と介護保険で、受けられるサービスが具体的にどのように違うのか、また、サービスを受けたことによる自己負担はどのようになっているのか。 ということについては、まだまだ早いと感じていても、知っておくだけで安心できるものです。

 

私の場合、医療や介護の専門家でもなんでもありませんが、必要なときに信頼できる専門家と連携しつつ、ライフプランラボの相談業務の幅を広げることを考えながら、今できることを準備しています。 「問題が大きくなる前に、早めの行動を」というのは、他のご相談でも同じですが、どのような分野であっても、「選択肢はたくさんあって、自分らしいものは?」という知識があれば、やはり安心ですからね。

 

終活カウンセリングに関するご相談は、まだ正式メニューには登場していませんが。(汗)

 

手軽に始められるエンディングノート

過去の主なニュースを振り返りながら、「あ~、そんなこともあったな~」と、自分自身の人生を振り返るのも楽しいものかもしれませんね。

自分史を書いてみよう msn産経ニュースwest

「遺言書の準備なんで、関係ないよね」という人も多いかもしれません。 「遺言書がないと、確実にトラブルが大きくなりそうですね」というケースはもちろんですが、それほどではないケースでも、遺言があることがいろいろなメリットにつながることもあります。 ただし、安易に書いてしまうと、問題を大きくしてしまうこともありますから、注意は必要ですよ。

 

「遺言」はなかなか敷居が高い。 そっか、最近はエンディングノートというのも良く聞くし、それなら挑戦してみようかな。 日記のように始められるかな?

エンディングノートも日記のようなもの?

 

日記のように、真っ白な状態からでは、さすがに難しいでしょう。 いくつか手にとってみて、始めやすいものを選ぶことが大切ですね。 備忘録とか、書きやすそうな場所からスタートすればいいのかもしれませんが、なかなか考えがまとまらない部分もありそうです。 まずは、自分自身の「棚卸し」というか、人生を振り返ってみることも筆をすすめるきっかけになりそうです。

 

そんな場合には、冒頭のニュースにあるような、「自分史」もいいかもしれません。 過去のニュースをきっかけにして、忘れていたことを思い出したり、リタイア後の人生の目標を見つけたり、新たな発見があるかもしれません。 リタイア前後のタイミングとしては良いアイデアだと思いました。 私なんかも、まだ早いかもしれませんが、手にとって振り返ってみたいですから。(笑)

 

 

時代も変わって、「散骨」がブームに

「ワシが死んだら、お墓ももったいないし、お骨は大好きな海にでも撒いてくれたらいいわ」 いやいや、それができないんです~、というのも昔のはなし。

ブームの散骨葬は法的にOK? 変わりゆく葬式ビジネスと背後にある過疎化問題 ビジネスジャーナル

これも高齢ビジネスの広がりというか、ニーズの多様化を狙ったものでしょうし、求められるのであれば「必要なサービス」ということでしょうね。

海へ

 

私も、終活カウンセラー検定初級試験に合格しました。(笑)

散骨については、以前からときどき話題になりますが、「樹木葬」というのは初めて聞きました。 まだまだ勉強が必要ですね。 時代の流れは「自分らしさ」にあります。 人生の終焉においても、「自分らしい、人生の終え方」について考えることになっても不思議ではありません。 ただし、いつものことですが、自分ひとりが勝手に暴走してしまっては、あとに残された家族に負担をかけることも考えられます。 エンディングノートではありませんが、普段から、家族や親戚とのコミュニケーションは大切ですね。

 

相続と聞くと、「私には関係ない」と思ってしまう人も多いのですが、ここ数年の相続税の改正による影響は結構なレベルで深刻です。 納税が必要かどうかは別にして、相続税の申告が必要な人はかなりの水準で増えていくでしょう。 これまでよりもさらに、相続人が前もって準備をすることが大きなトラブルを避けることにもつながるのですが、そのことに気付くのは、まだまだ難しいことかもしれません。 しかし、こうして終活がブームになり、それが結果的に、相続全般の問題についての意識改革になればいいなと感じます。

 

相続って、相続税だけの問題ではありません。 相続税の申告が必要な人って、そうはいっても限られますが、相続が発生したことによる金融機関での手続きなんかは誰もが経験することです。 「私には関係ない」ことではありませんよね。(汗)

 

 

あなたはあと何回、親に会えますか?

今年のゴールデンウィークは海外旅行が少ない?

ゴールデンウィークはどう過ごす 意外と少ない「海外旅行」 日経ウーマンオンライン

日程の関係か、円高反転の影響か、理由ははっきりとしませんが、海外旅行の計画を立てている人は今のところ少なくなっているようです。 長期休暇があっても、「財布の中身と相談しながら」というのが現実ですが、お金のかけ方も工夫次第です。 せっかくの休みですから思い切って楽しむのも、な~んにもしないのもアリです。 オンとオフのスイッチを切り替えることに慣れる意味でも、ゴールデンウィークに限らず、企業側が長期休暇を積極的に推奨するようにしてもらいたいですね。

成田空港

 

私も、会社員で子どもが小さかった時期には、盆と正月の帰省を何度も経験しています。 今では、長期の「秋休み(シルバーウィーク)」とかの話題もありますが、「家族で長期休暇をどう過ごすのか?」って、難問のような気もします。 しかし、その理由も、単に長期休暇に慣れていないからかもしれません。 子どもが大きくなれば、家族全員で出かける機会も少なくなりますから、夫婦はもちろん、ひとりでも出かけられるような「趣味」というか、楽しみを見つけておくような努力も必要でしょうか。(笑)

 

「あなたはあと何回、親に会えますか?」というフレーズをよく見かけるようになりました。 夫婦それぞれの両親に会うのが、帰省だけの年に数回だけというような場合、平均寿命を考えて計算してみると実際に会える回数が少ないことに驚きます。 同じように、「終活」も最近は、よく話題になりますが、終活って年老いた両親が自分から進んで行動するばかりとは限りません。 実際には、終活をしてもらって助かるのは子どもだったりすることも多いですから、盆や正月といった家族総出の慌しい時期だけでなく、そんなことを含めて、両親とのんびりと話してみる機会を増やすことも大切ではないでしょうか。 ちょっと恥ずかしいですか? いや、たまにはいいんじゃないですか。(笑)

 

 

死後に、SNSのアカウントをどうする?

ときどき、考えちゃいますよね? この話題。

Googleが非アクティブアカウント管理を追加、死後残されるデータに対処 マイナビニュース

そうじゃなくても、ネットバンキングに始まって、証券口座やあちこちの会員サイト。 そこに、ブログやFacebookにTwitter、まだまだ増えそうですし。(笑) そうそう、メールアドレスだって、いったいいくつあるんだ? って感じですから、自分の死後に、そうしたものをどうすればいいのか。 って、自分自身がなかなか決められないのですから、残された家族もたまったものではありません。 いっそのこと、「無視してください」と伝えておきますか?(汗)

アカウント

 

最近は、終活もよく話題になりますが、終活には「エンディングノート」がつきものです。 遺族が必要とする情報については、書き残しておくことが必要ですね。 また、そうした準備をするなかで、不要なものを見つけて、あらかじめ削除しておくこともできるかもしれません。 いずれにしても、本人しかわからない情報については、本人がどうするのか決めておかなければいけないようですね。

 

Facebookでは、タイムラインで「自分史」を作っておくことができますから、他のSNSとは違った活用もできそうですが、それも今のはなしです。 ずっと先になれば、また新しいサービスが人気になるかもしれませんし、何にでも手を出しているとますます後で収拾がつかなくなるかもですね。 今、すでにややこしくなってしまっているなら、歳をとってから、そんなことができるのかどうか心配になってしまったニュースでした。 そうそう、「自分史」で思い出しましたが、自分が生まれてから現在までの戸籍謄本は、一度、自分で集めておいたほうがいいですよ。 その人にもよりますが、相続のときに、ものすっごい面倒なことになるかもしれませんから。

 

 

お金の準備だけじゃない、人生の終え方

終活に関する認知度が高くなっていますが、こうした意識調査での男女間格差って、やはり平均寿命が原因なのでしょうか。 夫のほうが先に亡くなるケースが多いので、女性のほうが自分のことは準備しておかないと…、という意識が働いているようにも感じます。
終活 3人に1人が葬儀費用準備 msn産経ニュース

「自分のルーツや家計図の取りまとめ」に限って男性のほうが多いというのも不思議ですが、出生からの戸籍を揃えておくというのは残された家族のためにも大切だと思います。場合によってはかなり大変な労力を伴いますから。(汗)

さて、葬儀費用を準備するということですが、果たしてどれくらい具体的な準備をしているのか不安に感じてしまうのは、余計なお世話でしょうか。(笑) 「つい最近、近い親戚の葬儀でかかった費用が○○○万円だったと聞いたので……」というようなこともあるかもしれませんね。 葬儀費用にお墓の問題など、残された遺族の負担にならないようにという想いもあると思います。

墓地

「エンディングノートに記録」しているという人が、女性では35.6%にも達していることに少々驚きましたが、葬儀やお墓にかかる費用を準備すると同時に、どのようなエンディングを迎えたいのか、はっきりと意思表示をしておくことも遺族に対する優しさかもしれません。

 

と、簡単に書いてしまいましたが、資産家や富裕層でなくても、残念ながら相続に起因する揉め事も増えているのが現状です。 多くの場合、その原因は事前の準備で避けられたかもしれないことを考えると、「そこまで心配しなくても、うちの子どもたちに限って」という気持ちもわかりますが、親の想いや、子どもたちへの愛情などを具体的に伝えておくことも必要な時代になったのかもしれません。 葬儀費用の準備を考えるのと同時に、自分らしい人生の終え方を家族に伝えることを考えてみたいですね。

 

 

老後の住まい方に、広がる選択肢

「老後の一人暮らしに、部屋を貸してくれる大家さんがいない」という時代にも変化が現れているようですが、これも超高齢社会を見据えた大きな流れでしょうか。 高齢者専用賃貸住宅はあっという間に増えたように感じますし、高齢者支援サービス付きの住居の形態も増えています。 資産に余裕のある健常者のなかには、仲の良いグループ数人で同じ分譲マンションの居室をそれぞれが購入して、適度な距離感で小さなコミュニティを形成しているケースもあるようです。 そして最近は、若い世代から注目を浴びている「シェアハウス」も、高齢者の住まい方のひとつとして認知されているようです。

<セカンドライフ>シニアにも人気 シェアハウス  東京新聞 TOKYO Web

高齢者のひとり暮らしと言っても、そこにはいろいろな背景があることでしょうし、単純に、「仲良しグループ」が集まればそれでハッピーな暮らしというわけでもないように思います。

老後の住まい方

ひとりぼっちはイヤだけど、プライベートも大切にしたい。

一緒に暮らすなら、全てをさらけ出して本当の家族のように。

ひとりでも、十分に楽しんで暮らせる。

困ったときだけ、少し頼れる友人がいればいい。

ライフスタイルや価値観が多様化しているのは高齢者も同じでしょう。 住まい方の選択肢が増えることは良いことですし、「できるだけ自分のことは自分で」という考え方には共感できます。 シェアハウスの場合は、健常者向けのグループホームのようなイメージでしょうか。 いずれにしても長く続く老後の生活、住まい方はもちろん、暮らし方全般については、自分自身に合ったライフスタイルを実現できる方法を、じっくりと探してみたいものですね。

 

 

流行語大賞トップテンに「終活」

年末恒例となった「ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が発表されましたね。 今年の年間大賞は、「ワイルドだろぉ」が選ばれました。 元々は自虐ネタというものだと思いますが、楽しいフレーズが選ばれて良かったような気がします。 そして、トップテンに選ばれた流行語に、「終活」が入っていました。

 

「終活」という言葉が、『現代用語の基礎知識』に登場したのは、2010年版からということなので、まだまだ新しい言葉です。 遺言だけではなく、エンディングノートという言葉も広く知られるようになりましたし、「終活」の登場は、やはり超高齢社会の一層の進展もきっかけのひとつでしょう。

 

遺言については民法に定められる要式行為ですし、一般的に、相続に関係するというだけで「私には関係ないかな」というイメージが相変わらず強いようです。 遺言とエンディングノートについては似ているようなイメージもあると思いますが、エンディングノートは、より身近なものとして認知されてきているようですね。 高齢者人口の増加に伴って、老親の看護や介護といった問題について考える機会が増えていることも原因でしょう。

老親の看護と介護

相続に関するご相談では、「心の機微」のようなものに触れることも多いのですが、多くの場合、相続対策というと財産に関することが多いために、「資産家の問題」というように受取られがちです。(本当は、そうとも限らないのですが)(汗) そういう意味では、エンディングノートや終活という言葉が、表面的なイメージだけでなく、もっと広く意味を知られるようになることは良いことですね。

 

このブログでは、ライフプランに関することを中心に書いていますが、終活もライフプランの締めくくりと考えれば大切なことです。 「生」と「死」というイメージではなく、超高齢社会だからということだけでもなく、「自分らしく人生を全うする」という意味でも考えておく必要があるのではないでしょうか。