夫婦でライフプランを共有することの意味

「阿吽の呼吸」という言葉がありますね。

熟年夫婦の年代までいかなくても、子育てを通じて夫婦の関係も良好。 お互いの気持ちや考え方も理解できて、まさに「阿吽の呼吸」というのは喜ばしいことです。 「敢えて言葉にしなくても、そこは阿吽の呼吸で……」と、普段からしっかりと意思の疎通ができているようでも、安易な思い込みは避けたほうがいいのかもしれません。

 

夫婦のどちらか一方がお金についてだらしない、という場合ではなくても、お金のことで家庭がギクシャクしてしまうことは問題です。 「金の切れ目が縁の切れ目」というのは、夫婦関係において使うには適していないかもしれませんが、長引く不況によって大幅な収入減に直面したような場合には、やはり日頃からの夫婦の関係が試されるということもあるでしょう。

 

暗い話題を提供しようということではなくて、11月22日は「いい夫婦の日」ということなので、仕事柄、多くの家庭について家計面から見てきた私として、ライフプランを考えることから「いい夫婦」について感じていることを書いてみます。

 

子育て世代のご夫婦が一緒にご相談にお越しになる場合については、住宅購入に関するご相談が多いのですが、やはり金額が大きく、長期間にわたる住宅ローンということもあって「妻に任せっきり」とはいかず、ご夫婦で……、ということになるからでしょうか。

 

新居から始まる新しい生活、家のことだけではなく将来の家族の夢や希望についても夫婦で具体的に共有できている場合、ご相談を受けるこちらとしてもとても気持ちよく、清々しい気持ちになります。 この、将来の夢や希望について考えることが、「ライフプランを考える」ということですね。

 

「共有」ですから、夫や妻の一方的な想いや押し付けではありません。 お互いに「ムリのない、私たちらしいライフスタイル」について、将来についても普段から話しあったりする機会があるから共有できているんですね。 そして、ライフプランは具体的である必要があります。 完璧な計画である必要はありませんが、ある程度の経済的な裏付けを伴った、つまり「具体的」であれば実現性が高くなるからです。

 

いい夫婦

 

ライフプランラボの場所は、兵庫県宝塚市になりますので阪神間に位置しています。 この地域には人気の私立大学や私立の中高一貫校が多く、最近では私立小学校も注目度が高くなっています。 教育に熱心なご夫婦も多く、子どもの教育進路や教育費用に関するご相談も多くなっているのが最近の特徴です。 子どもの受験には、本人の努力が必要なことはもちろんですが、家族全員の協力やコミュニケーションも欠かすことができません。

 

受験する、しない、に関わらず、子どもの教育に関する考え方について話し合うことは、どちらかというと短期的な目標について家計面の裏付けが必要です。 家族全員のライフプランについて考えてみるという点でも、良いきっかけになりますね。 もちろん、住宅購入などもきっかけのひとつですが、そうしたきっかけを良いタイミングととらえ、じっくりと時間をかけて、将来のライフプランについて話し合ってみるチャンスではないでしょうか。

 

「お金」に関することが、お互いを責める材料になったりしないように、普段からのコミュニケーションをとることは「いい夫婦」の条件のひとつです。 将来の夢や希望について、夫婦や家族で話しをすることはごく当たり前のこと。 長い人生ですから、いろいろと問題も起こってくるとは思いますが、大きな問題に発展することのないように、お金の面からもライフプランを共有することは大切です。

 

 

迷ったら「俯瞰」してみる

家計に関することで、なかなか結論がでなくて迷いこんでしまうということはよくあります。

 

これから住まいを購入するというケースでは、最後まで安全に返済できる金額なのか、から始まって、最終的には「変動金利」なのか「固定金利」なのか、また最近では団信も多様化しているため、どこで、どうやって借りるのが「得」なのか悩んでしまいます。

 

数年前に借りた住宅ローンであれば、当時よりも金利が下がっているので、借り換えをすればメリットがありそうですが、実行に移すためにはそれなりの労力が必要になります。例えば、「月々の返済額がいきなり半分になる」ということであれば、即行動!になるのかもしれませんが、実際には「総返済額で○○○万円の金利削減効果があります」と言われても、いまいちピンとこないこともあって、なかなか具体的な行動に移れない人もいるでしょう。

 

新婚世帯や、子育て世帯では、将来の生活設計がしっかりと定まっているわけでもなく、まだぼんやりとしているものです。 少子化や年金問題、景気の動向などによって、将来の家計に不安を感じるのも仕方ないご時勢ですが、家計に関する将来の不安は、目先のことだけをいくら考えてもすっきりとはしないものです。

 

家計の将来について、少し広く、少し長く「俯瞰」してみる。

俯瞰

 

目先の損得にとらわれていては、氾濫する情報に翻弄されるだけです。 長期的な家計で大きな失敗を防ぐためには、長期的な家計の裏づけから考えてみることも必要です。損得という勘定や感情ばかりに振り回されることなく、健全な家計を維持していくことは、普段の暮らしに欠かせない安心を与えてくれるはずです。

 

「将来の家計を俯瞰する」といっても、いったいどうやって?

 

このブログでは、ライフプランを考えることの大切さについて、具体的にご紹介していきたいと思います。