「生命保険料の節約ありき」では、まだまだ足りない
「生命保険を見直して家計を節約しよう」という掛け声(?)をよく見かけます。 生命保険を見直すと、必ず保険料を大幅にカットできて大きく節約できる、というイメージは根強いですよね。 ところが、月々、数千円の生命保険料を最優先に節約しなければならないような家計ほど、逆に、しっかりと生命保険のお世話になる必要性が高いという考え方もできます。 保険の目的は、「万一の場合……」「いざというとき……」と表現されるような場合に備えて、家計上の経済的リスクについて一定の保険料を負担しながらカバーしておくというものです。 いざというときにいつでも使えるように準備してある預貯金のことを「緊急予備資金」と呼んだりしますが、この緊急予備資金が潤沢にあればあるほど、保険のお世話になる必要性は薄れます。 つまり、「貯蓄がなかなかできなくて……」という場合には、家計において生命保険の重要度が高いケースが考えられますから、保険料を見直す、つまり保障内容を削減して節約するというように単純にはいかないことも多いのです。
もちろん、今、契約している生命保険の保障内容が明らかに過大であったり、あちこちで契約している保障内容がいろいろと重複していたりする場合には、適正に見直しをすることも必要です。 ただし、「緊急予備資金」の考え方からも、不要と思えるような保障・特約であっても、家計の現状や将来像から考えて判断することが大切です。 生命保険を見直すといっても、それは保険料を節約することがすべてではなく、家計の状態やわが家のライフプランに合った保障内容にすることが目的ですから。
(もちろん、保険料をカットすることが最優先の課題であり、ご相談者のニーズであれば、当然、ご要望に応じたプランニングはさせていただきます)(笑)
生命保険や住宅ローンのように、長期間にわたって支払い続ける支出項目については、月々の金額を少し削減するだけで、総支払額において大きな節約になることは間違いありません。 つまり、生命保険の契約内容を家計に合った適切なものにしておくことは大切です。 ただし、月々数千円であっても保険料負担の削減を優先して考えなければならないような家計自体が厳しい現状であるともいえます。 保険料の節約ありきで生命保険を見直すだけではなく、家計全体を見直す過程で生命保険の保障内容を適正なものにする。 つまり、全体のバランスからも、もう一度考えてみる必要があります。
ライフプランラボでは、生命保険のご相談以外のさまざまなご相談であっても、生命保険や火災保険・自動車保険などの保険証券をお持ちいただきます。 住宅ローン相談やライフプラン相談の場合でも、家計の将来について考えることからスタートしますから、契約しているさまざまな保険についても適切な契約内容になっているのかどうか、一緒に確認していただくためです。 保険の目的や必要性について「わが家の家計レベル」で理解できると、計画的な貯蓄の大切さも再確認できますから。