火災と地震でこんなに違う、家財の保険
ひとつ前の記事にも書きましたが……、火災保険と違い、地震保険の保険金は「3パターンの支払い」か、「支払われない」しかありません。 3パターンというのは、「全損=100%」「半損=50%」「一部損=5%」の3つです。 地震保険の対象が建物でも家財でも同じです。(ただし、建物と家財で、損害の認定基準は違います)
家財を対象とした地震保険の、損害認定基準はこのようになっています。
「全損」 家財の損害額が、家財全体の時価額の80%以上
「半損」 家財の損害額が、家財全体の時価額の30%~80%未満
※2017年1月より、「半損」区分が、「大半損」と「小半損」に細分化されました
「一部損」 家財の損害額が、家財全体の時価額の10%~30%未満
※建物を対象とした地震保険では、損害認定基準はもう少し複雑です。
例えば、家財の「火災保険」に、「破損・汚損」の補償をつけていると、「テレビを運んでいるときに誤って落としてしまったために液晶部分が割れてしまった」ような場合に補償されます。 しかし、「地震保険」の場合には違ってきます。 上記の損害認定基準でわかるように、地震が原因でテレビがテレビ台から落ちて壊れたような場合でも、家財全体の損害割合で判断するために、家財の損害額が家財全体の時価の10%以上にならなければ保険金は支払われません。 また家財の損害認定の方法にも特徴があり、代表品目の損傷状況から家財全体の損害割合を算出することになっています。
地震で一部の家財が、落ちたり倒れたりして壊れた場合、家財保険(火災)の「破損・汚損」で補償されるのと同じだと考えていると、「なんで?」ということになります。 元々、地震保険は火災保険の保険金額の50%までしか契約できませんから、「一部損」の認定であれば、「せっかくの保険なのに、実際に受取る保険金は少ないな~」という印象になってしまうかもしれません。 「一部損」にもならない場合、保険金は支払われませんからなおさらです。
これもひとつ前の記事で書きましたが、火災保険と地震保険では「基本的な補償の考え方」が違います。 「何故そのような仕組みになっているのか」ということを知っておくほうが、わかりやすいかもしれませんね。 きちんと仕組みを理解した上で、「わが家にとって必要な地震保険の補償内容は?」と、保険料の比較だけでなく、いざというときの家計の状況も合わせて具体的に考えておきたいものですね。
ちなみに、わが家(私)の場合には、マンション暮らしですが、建物も家財も、時価額を考慮したうえで火災保険・地震保険ともしっかりと保険をかけています。 保険が好きだからということではなく、保険料を必要なコストとして考える必要のある家計状況だからです。(笑) もちろん、大規模な地震による大きな被害には、保険でもしっかりと備えておきたいというのが最大の理由です。