「地震保険なんて役に立たないっ!」て、思いたくないから

加入率の増えている地震保険の特徴として、建物や家財の火災保険とセットでないと契約できないことや、保険金額が主契約となる火災保険の保険金額に対して30%~50%の範囲内で契約することなどがあります。 もちろん、火災保険だけでは、地震や地震による津波などを原因とした建物や家財の損害は補償されません。 地震を原因とした火災についても火災保険では補償されないので、地震保険による備えが必要です。 このような特徴については、地震保険の加入率増加とともに広く知られていることと思います。 ただし、火災保険と地震保険では、保険金の支払い方法について大きな違いがありますから、タイトルのように「せっかく入っていた地震保険なのに、いざというとき役に立たないよっ!」ということにならないように、正しい理解が必要です。

 

地震保険

建物や家財の損害額全額を補償する火災保険と違い、地震保険の場合には、建物や家財の損害の程度により、支払われる保険金額が決められています。

「全損」    地震保険金額の100%

「半損」    地震保険金額の50%

※2017年1月より、「半損」区分が、「大半損」と「小半損」に細分化されました

「一部損」  地震保険金額の5%

つまり、損害認定が「一部損」に満たない場合には、保険金が支払われないことになります。 もちろん、支払われる保険金は「全損」「半損」「一部損」の3パターンしかありませんから、火災保険と比べると、「なんで?」と感じる人は多いかもしれませんね。 これは、火災保険などの「実損填補」の考え方と違い、地震保険独特の考え方で、大きな地震が発生した場合にも大規模な損害調査を早く行い、迅速・公正に保険金を支払う必要があるためです。

地震保険は火災保険と違い、建物を元通りに復旧するためというよりは、生活再建のためのものという考え方もできます。 建物や家財の火災保険を考えるとき、ついでに地震保険料も比較しながら……、と簡単に考えるのではなく、「いざというとき、どのように保険が役に立つのか」という目線で、具体的に検討しておきたいものです。 建物と家財、それぞれに地震保険が必要なのかどうか、必要だとすれば保険金額はどう考えるのか、家計の様子に合わせて適正な状態にしておく必要があります。 もし、契約できる地震保険だけでは足りないと感じる場合には、どのような方法があるのか……。 「保険のお世話になるようなことが起こらない」というのが一番良いことかもしれませんが、もしも起こった場合には「保険で備えておいてよかった」と言えるように、しっかりと準備しておきたいものですね。

 

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