保険の大型新人登場?
厚生労働省の人口動態統計によって、母親が第一子を出産したときの平均年齢が、初めて30歳を越えたとニュースで報じられたのは昨年6月のことでした。 晩婚化・晩産化が少子化に少なからず影響を与えているような気もしますが、少子化対策の一環として、金融庁が不妊治療の費用を保障する民間の保険商品解禁について金融審議会で検討を始めるというニュースが流れたのも昨年秋のことでした。 その後の展開について注目していたところ、先日こんなニュースが報じられましたね。
不妊治療の保険を解禁へ 金融庁が審議会に素案提示へ msn産経ニュース
不妊治療を必要とする人にとっては朗報となりますが、ニュースにもあるように、モラルリスクの問題や具体的な保障内容など、今後の展開が気になります。 保険会社は商品開発に積極的だということのようですし、なによりもニーズがはっきりとしていますから、商品設計が受け入れられれば大型商品に成長するのでしょうか。
同じように、こんなニュースもありました。
介護や葬儀のサービス、保険での提供を解禁 金融庁が審議会に提案 msn産経ニュース
従来の保険は、保険金を支払うという形での契約でしたが、こちらは間接的にサービスを提供するという形式になりますね。 これまでにも、例えば自動車保険であれば車の修理費を直接、修理工場へ支払うとかはありましたが、このニュースのように、介護や葬儀の費用を直接、保険会社から業者に支払うとなるとこれまでの保険のイメージから大きな変化となりそうです。
最近、よく話題になる、医療保険やがん保険の先進医療特約もそうですが、実際に特約保険金の請求時に必要な書類のひとつとして、治療を受けた医療機関の領収書が必要な保険会社と、請求書で済んでしまう保険会社とにわかれるようです。 請求書で構わないということは、一時的にでも家計から支出する必要がありませんから、こうした細かいところも商品を選ぶ場合の判断基準のひとつとして考えておきたいものです。
不妊治療の保険も、介護の保険にも共通した特徴があります。 それは、公的な保障と民間の保険会社の保険商品との関係です。 不妊治療については、健康保険の適用外である特定不妊治療であっても公的な助成制度があります。 つまり、一般的な民間の医療保険を考えるときと同じように、公的保障を補完するものとして、民間の保険商品を公的保障の上乗せとして考えるということですね。 介護保険も同じです。 民間の保険会社からさまざまな介護保険商品が発売されていますが、こちらも公的介護保険だけでは不足すると考える部分に、自助努力(?)として必要と考える人が保険料を負担して手に入れるものです。
民間の保険商品を契約するときに、公的保険の保障制度について理解をしておくことは当然ですが、わが家(わが家の家計)にとって必要であるなら、しっかりと民間の保険商品でカバーしておくことは大切です。 もちろん、支払うことになる保険料や家計・貯蓄とのバランスを考えることも大切。 保険業界にとっては期待の新人が登場するかもしれませんが、消費者サイドとしては、わが家の家計に置きかえて、上手に利用したいものですね。